子宮内膜症とはどんな病気? 保険で備えることはできる?

「子宮内膜症」という病気をご存じでしょうか。子宮内膜症は、月経痛や不妊を引き起こす原因にもなる女性特有の病気です。病状によっては、治療にあたって手術が必要となる場合もあります。

そんな子宮内膜症がどんな病気なのか、どんな人がかかりやすいのか、どのような治療法があるのかなどについて詳しく解説します。いざというときのために備えられる医療保険についてもご紹介しましょう。

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、子宮内膜またはそれに似た組織が子宮の内側以外の場所(卵巣や腹膜、子宮の壁の中など)に発生してしまう病気です。本来、子宮内膜は子宮の内側で女性ホルモンの作用によって増殖し、妊娠するための準備を行っています。妊娠が成立しなかった場合は子宮から剥がれ落ちて血液とともに膣から体の外へ排出されます。これが生理です。

子宮内膜症の場合も同じように、女性ホルモンの作用で増殖して出血が起こるものの、通常の生理のように血液を容易に外に出すことができません。そのせいで溜まった血液が周囲の組織と癒着(本来は離れている臓器同士がくっついてしまうこと)を起こしたり、卵巣内で古い血液が溜まって「チョコレート嚢胞(のうほう)」が生じたりする場合があります。

症状として特に多いのは月経痛ですが、状況によっては月経時以外にも下腹部や腰に痛みを感じたり、排便痛、性交痛が生じたりすることもあります。また、卵管との癒着や、卵巣チョコレート嚢胞が発生した場合には、不妊の原因になる可能性もあります。一度発症すると、治療後にも再発するおそれがあるため、長期的な治療が必要です。

子宮内膜症はどんな人がかかりやすい?

子宮内膜症の原因ははっきりとは解明されていませんが、女性ホルモンのエストロゲンが病気の進行とかかわっていると考えられています。月経の回数が多いほどリスクが高くなることから、出産経験がない、初産年齢が高い、初経年齢が低い、閉経年齢が高いといった人は、子宮内膜症にかかりやすい可能性があります。

厚生労働省「令和2年 患者調査」によると、令和2年の子宮内膜症の総患者数は約171,000人です。年代別に見ると、20代から徐々に患者数が増え、40代にピークを迎えます。
「月経痛がいつもよりひどくなった」などの自覚症状を感じた場合は、早めに婦人科を受診しましょう。


出典:厚生労働省「令和2年 患者調査」 総患者数,性・年齢階級(5歳) × 傷病小分類別

子宮内膜症が命にかかわることはある?

子宮内膜症自体は、命にかかわる病気ではないとされています。一度治療しても再発してしまうリスクはありますが、閉経後は女性ホルモンの減少とともに、症状は落ち着くことが多いです。

しかし、チョコレート嚢胞である場合、1%程度はガン化することがあることが明らかになっています。チョコレート嚢胞からではない場合と比べてかなり高い発生率ですから、チョコレート嚢胞が見つかった場合は、特に慎重な治療が必要です。

子宮内膜症の治療法

子宮内膜症の治療法は病状や重症度、年齢や将来妊娠を希望するかなどによって判断されます。ここでは、チョコレート嚢胞がない場合・ある場合に分けて解説します。

チョコレート嚢胞がない場合の治療法

チョコレート嚢胞がない場合、主に薬物療法による治療が行われます。痛みを抑える鎮痛剤や、女性ホルモンの分泌を抑える薬を使うことで、症状を徐々にやわらげていくことを目指します。低用量ピルは使用目的などによって保険適用にならないこともありますが、子宮内膜症の治療で使用する場合、保険が適用されます。

薬物治療を行う場合、薬を服用しながら長期的に経過を観察していくことが大切です。定期的に診察を受けながら、医師の指示に従って治療を続けていきましょう。

チョコレート嚢胞がある場合の治療法

大きいチョコレート嚢胞が見つかった場合などは、重症化やガン化を防ぐために手術が行われることがあります。将来的に妊娠を希望する場合は、病巣部分のみ摘出し、子宮や卵巣を温存する手術が検討され、妊娠を望まない場合は病巣だけでなく、子宮や卵巣、卵管なども摘出することがあります。

子宮内膜症は再発を繰り返しやすい病気です。手術で病巣だけを摘出した場合、再発する可能性は避けられません。閉経を迎えるまでは特に、定期的に検診を受けて再発・進行がないかを医師に確認してもらうようにしましょう。

入院治療となることもある子宮内膜症に備えられる保険は?

子宮内膜症と診断され、手術が必要と判断されれば、治療に対する不安に加え、入院・手術にかかる費用負担など、心配ごとも重なることでしょう。そんな万が一のことを考えて、医療保険による備えをしておくと、入院・手術が必要になった場合の負担軽減につながります。

アメリカンホーム保険の女性のための医療保険「morph(モルフ)」は、自分に必要な補償を選べる、女性向けの医療保険です。たとえば、子宮内膜症のような女性特有の病気に備える「女性特定疾病入院療養一時金支払特約」は、日帰り入院を含め、所定の女性特有の病気で入院したときに補償されます。また「手術保険金支払特約」では、所定の手術を受けた場合に補償されます。子宮内膜症と診断され、かつ入院・手術が必要になった場合の心配ごとを減らすことにもつながるでしょう。

子宮内膜症は、月経痛や不妊などの症状を引き起こす病気です。発生する場所によっては、入院・手術が必要になったり、放置するとガン化することもあります。また、子宮内膜症の他にも女性特有の病気は数多く存在するため、少しでも不調を感じたら、すぐに婦人科を受診するようにしましょう。また、医療保険は、入院・手術の際の心配ごとを軽減するための一つの備えとなります。いざというときのために、医療保険による備えも検討してみてください。

あなたの年齢に応じた
保険プランを
ご提案します!

女性のための医療保険 morph 無料かんたんお見積り

【医療情報に関する監修】
医師:成田 亜希子
国立大学医学部卒。総合診療医。
国立保健医療科学院や公益財団法人結核予防会結核研究所で研修を積み、保健所勤務経験から感染症、医療行政に詳しい。
また、行政の女性健康相談窓口の担当経験もあり、女性を対象とした健康教育なども多く手掛けている。
現在は美容クリニックに勤務し、美容の悩みも含めて女性のトータルケアを手掛けている。